1840年代のミシシッピ川を舞台にした本作の真の魅力は、悠久の大河をゆく外輪船という閉鎖空間でありながら、同時にどこまでも広がるフロンティア・スピリットを感じさせる圧倒的なロマンにあります。ダレン・マクギャヴィンが見せる不屈の船長像は、自然の猛威や人間の欲望と対峙する高潔な精神を体現しており、動く要塞のような船が水しぶきを上げる映像美は、当時のテレビシリーズの枠を超えた壮大なスケールを誇っています。
若き日のバート・レイノルズが放つ荒々しくも瑞々しい存在感は、本作に野性味あふれるダイナミズムを吹き込んでいます。運命に抗いながらも流れに身を任せる登場人物たちの葛藤は、現代を生きる我々にも人生という航路をどう切り拓くかという普遍的な問いを投げかけます。単なる冒険活劇に留まらない、泥臭くも気高い人間讃歌がここには刻まれており、一話ごとに心に深い余韻を残す名作です。