民国時代の混沌とした熱量を背景に、怪異と理屈が交錯する独自の美学を貫いた意欲作です。本格ミステリーの緻密さと、テンポの良いコメディ要素が見事に共鳴し、予測不能な展開で観客を翻弄します。汪汐潮らの熱演は、激動の時代を生き抜く人間の強さと滑稽さを鮮烈に描き出しており、一瞬たりとも目が離せません。
迷信が蔓延る闇を暴く過程で浮かび上がるのは、いつの時代も変わらぬ人間の業という深遠なテーマです。単なる謎解きを超え、真実を求める意志が世界の不条理を凌駕していくカタルシスこそ、本作の真骨頂と言えるでしょう。映像美の中に潜む毒と知性が、観る者の知的好奇心を激しく揺さぶります。