あらすじ
宇宙世紀0087年、シャア・アズナブルはクワトロと名前を変え、反地球連邦組織エゥーゴに参加していた。
潜入したコロニー「グリーン・ノア」で、彼はティターンズが開発した黒いガンダムを目撃する。
一方、カミーユは憲兵からの尋問中に起きたガンダム墜落の混乱に乗じて脱走する。ガンダムMk-Ⅱ奪取をたくらみ、再度コロニーに潜入するシャア。その戦闘のさなか、カミーユはガンダムMk-Ⅱに乗り込み、操縦を見事にこなしてしまう。それを目撃したブライトは、カミーユにアムロの再来を感じるのだった・・・。
作品考察・見どころ
本作は、善悪の境界が曖昧な多層的な政治劇と、思春期の剥き出しの感性が衝突する人間ドラマの極致です。前作の英雄が迷走し、新たな主人公カミーユが戦争の狂気に蝕まれていく様は、単なるロボットアニメの枠を超えた凄絶なリアリズムを放っています。飛田展男氏による、震えるような繊細さと怒りを宿した演技は、観る者の魂を激しく揺さぶります。
底流にあるのは、大人の都合で歪められた世界への絶望と、それでも他者と理解し合おうとする可能性への残酷なまでの問いかけです。美しくも禍々しい機体の挙動一つひとつに、登場人物たちの叫びが凝縮されています。時代に翻弄される個人の孤独と、極限状態で開花する精神の光を鮮烈に描き出した本作は、今なお色褪せない時代への警告書と言えるでしょう。