1977年、ビリー・ミリガンはオハイオ州立大学の周辺で性的暴行事件を繰り返し、逮捕された。だが、ビリーに"多重人格障害”の可能性が持ち上がる。
本作が突きつけるのは、人間の精神が持つ底知れぬ深淵と、自己防衛が生んだ残酷なまでの多層構造です。トラウマという怪物が一人の人間をいかに解体し、再構築したのかを、圧倒的な緊張感で描き出しています。人格が入れ替わる瞬間の静かな戦慄は、観る者の倫理観を激しく揺さぶり、多重人格という現象の裏に潜む悲痛なまでの生命力を感じさせます。 証言の断片から浮き彫りになるのは、真実と虚構の危うい境界線です。二十四の破片が社会というシステムにどう翻弄されたのか。本作はアイデンティティの不確かさを痛烈に問い、人間の本質を極限まで追求しています。その深淵を覗き込む覚悟がある者だけが辿り着ける、魂を揺さぶる衝撃の人間ドラマです。
監督・制作: Olivier Megaton / Brice Lambert
脚本: Brice Lambert / Olivier Megaton