1980年代の台北、林森北路に灯るネオンが、欲望と孤独を鮮やかに浮き彫りにします。本作の最大の魅力は、単なるミステリーに留まらず、夜の世界で生きる女性たちの業と情愛を、圧倒的な映像美で描き切った点にあります。退廃的でありながらどこか気高い「光」という社交場の空気感、そして細部にまで宿るノスタルジックな美学が、観る者の視覚と感情を強く揺さぶります。
主演の林心如と楊謹華が見せる、友情と嫉妬が表裏一体となった緊迫の演技は圧巻です。愛に飢え、過去に縛られながらも誇り高く生きようとする彼女たちの姿は、現代を生きる我々にも通じる自己のアイデンティティへの渇望を問いかけます。真犯人の正体以上に、人間の心の闇と美しさを丹念に解剖していくドラマチックな演出に、最後まで惹きつけられずにはいられません。