悪の組織という虚構に、予算や納期、無茶振りという過酷な労働事情を叩き込む。本作の魅力は、世界征服の大義の裏側に漂う泥臭いサラリーマン的リアリズムにあります。怪人開発を単なる空想ではなく、シビアな業務遂行として描く手腕は、全社会人の魂を揺さぶる極上の風刺と言えるでしょう。
全国のローカルヒーローが実名で参戦する演出は、特撮文化への深い敬意の表れです。前田佳織里らの演技が中間管理職の悲哀を彩り「真に戦うべき相手は不条理な社会構造だ」という切実なメッセージを放ちます。組織で懸命に生きるすべての人に捧げられた、至高の応援歌です。