本作が放つ最大の輝きは、甘い邦題からは想像もつかないほど硬派で緻密なミステリとしての完成度にあります。遺体から真実を読み解く検視官の眼差しと、論理的な捜査プロセスが、鮮やかな図解演出と共に描かれる様は圧巻です。互いの専門性を尊重し合うプロフェッショナルな信頼関係こそが、現代的なバディものの極致といえるでしょう。
地位や性別に縛られず、真実を追求するひたむきな魂の共鳴が、作品の根底に力強いメッセージを刻んでいます。知的な興奮と誠実さが同居する本作は、時代劇の枠を超え、真理を追い求める人間の尊厳を問いかけてくる珠玉の傑作です。一寸の隙もない脚本が紡ぐ、極上の謎解き体験に胸が熱くなります。