本作の魅力は、経済的事情から別離後も同居を続ける男女の「不協和音」を、極上の喜劇へと昇華させた点にあります。レティシア・リマとガブリエル・ゴドイが見せる、愛憎入り混じる絶妙な距離感の演技が、狭いアパートという密室劇をダイナミックな人間ドラマに変貌させています。
単なる笑いの中に、自立と執着の狭間で揺れる現代人の孤独を鋭く描くメッセージ性は圧巻です。関係性の終焉を直視できずにもがく滑稽な姿は、観る者の心に深い共感と救いを与えてくれます。愛の終わりをこれほど情熱的かつ皮肉たっぷりに描いた演出は、まさに一見の価値があります。