松尾スズキという稀代の演出家が、名女優たちを不条理な混沌へと誘う贅沢な喜劇です。本作の真髄は、清廉なイメージを纏う彼女たちが、毒のある世界に身を投じ、見たこともない狂気的な表情を剥き出しにする瞬間にあります。既成概念を裏切る演劇的なカタルシスは、観る者を圧倒的な解放感へと導いてくれます。
吉田羊、多部未華子、黒木華といった至宝たちが、30分という尺で笑いの深淵に挑む姿は圧巻です。プロ同士の魂がぶつかり合うことで生まれる爆発的な熱量。演じる本能と芸術的な悪ふざけが融合した、映像表現の自由を極めた至高のエンターテインメントに、心からの拍手を送らずにはいられません。