本作の魅力は、過酷な運命に翻弄されながらも失われない家族の絆を、剥き出しの感情で描き切る熱量にあります。富裕層と貧困層の対比は階級社会の批判に留まらず、人間の尊厳とは何かを鋭く問いかけます。絶望の淵で見せる兄妹たちの真っ直ぐな瞳は、観る者の魂を激しく揺さぶる力に満ちています。
若手俳優陣の瑞々しく痛切な演技は、物語に真実味を与えています。特にス・ブルジュ・ヤズギ・ジョシュクンらが体現する、愛と葛藤の心理描写は見事です。過酷な中で「独りではない」と信じ抜く心の美しさを、本作は情熱的な映像美で雄弁に物語り、深い余韻を残します。