弁護士事務所という厳格な舞台を、これほどまでに人間味あふれる喜劇へと昇華させた手腕が見事です。本作の真髄は、対照的な性格を持つ姉妹、ニキとカロの火花散るような掛け合いにあります。エヴァ=マリア・ライヒェルトとネレ・キーパーが体現する、理性と情熱の絶妙なコントラストは、観る者の心を一瞬で掴んで離しません。
法曹界の冷徹な正義ではなく、家族という逃れられない絆の中で揺れ動く「愛すべき不完全さ」を肯定するメッセージに胸が熱くなります。ロベルト・ギゲンバッハ演じる父との関係を含め、映像ならではのテンポ良い演出で鮮やかに彩られた本作は、笑いの裏に潜む深い情愛を浮き彫りにしています。日常の綻びをユーモアで癒やす、珠玉のヒューマンドラマです。