タツノコプロ特有のダイナミックな映像美が、木の人形に宿る切実な生命力を際立たせています。児童向けの枠を超え、世の不条理や人間の残酷さを真正面から描く冷徹なリアリズムこそが本作の真骨頂。丸山裕子氏の魂を揺さぶる熱演は、観る者に「本当の人間とは何か」という根源的な問いを激しく突きつけます。
善意だけでは渡りきれない世界の厳しさの中で、必死に「心」を育もうとする姿は現代人の孤独にも深く共鳴します。池田昌子氏や神谷明氏ら名優陣の演技が、物語に類まれな気品と深みを与えています。絶望の果てに灯る希望を鮮烈に描いた、大人の鑑賞にも堪えうる珠玉の人間ドラマです。