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本作の核心は、死神と呼ばれたウォルターの瑞々しくも狂気に満ちた少年時代と、少女の姿を借りたアーカードの妖艶な共演にあります。朴璐美が吹き込む繊細さと傲慢さが入り混じる演技は、後の老いを知る視聴者の胸を熱くさせます。重厚な影の演出が織りなす一九四四年の地獄絵図は、本編とは一味違うゴシックな美学の極致を提示しています。 未完の原作を映像化するにあたって、アニメ版は静止画では表現しきれない糸の流麗な動きを追求しました。平野耕太特有の癖のある筆致を尊重しつつ、色彩と音響によって狂騒的な戦場に命を吹き込む手腕は見事です。不完全ゆえの美しさが宿る本作は、本編の裏側に潜む忠誠と因縁を読み解くために欠かせない、鮮烈な前日譚として君臨しています。
脚本: 平野耕太
音楽: 松尾早人