あらすじ
ある高校で倫理の選択授業を受けている生徒たち。何食わぬ顔で座っている彼女ら彼らだが、それぞれがシリアスな問題を抱えている。自傷行為、深夜徘徊(はいかい)、いじめ、ドラッグ、合意の無い性行為…。悩みに押し潰されそうになった生徒たちに、謎の教師高柳が倫理と哲学の言葉を投げかける。一見退屈に思える「倫理」の教科書に書かれた先人たちの言葉が、現代の高校生によって読み替えられ、人生をサバイバルするための鋭い武器に変わる。「よく生きる」(ソクラテス)とは何か? 高柳は生徒に寄り添い、問いかけ、悩み続ける。生徒たちが見出すのは救いか? それとも!?
作品考察・見どころ
本作の魅力は、七十年代特有のざらついた質感と、オカルト的な呪詛が機械文明と交錯する異様な緊迫感にあります。無機質な鉄の塊が怨念を宿して牙を剥く演出は、観る者の生理的な恐怖を執拗に煽り立てます。破壊の美学と超自然的な現象が融合し、画面越しに狂気が伝播するような感覚は、この時代のホラー作品だけが持つ特有の魔力と言えるでしょう。
ホセ・フェラーの重厚な演技は設定に圧倒的な説得力を与え、スー・ライオンの危うい存在感が不穏な彩りを添えています。人間の憎悪や執着が物理的な暴力へと変貌していく様は、文明社会への警鐘とも受け取れます。所有物と人間の魂が逆転する瞬間の恐怖を鮮烈に描き出した、極めて独創的で情熱的な怪作です。