本作の魅力は、主演キャサリン・ライアンが体現する「猛毒を吐く母親像」の圧倒的なパワーにあります。既存の母性観を打破し、己の欲望に忠実でありながら娘を盲愛する彼女の姿は、観る者に強烈な解放感を与えます。皮肉たっぷりのセリフ回しと、個性が爆発する鮮やかなファッションは、視覚と聴覚を刺激する極上の演出です。
伝統的な枠組みに縛られない「自分らしい幸せの形」を肯定する強いメッセージ性も秀逸です。複雑な人間関係をブラックユーモアで笑い飛ばす力強さは、現代を生きる人々への切実なエールとなります。わがままに生を謳歌する彼女の姿は、新しい家族の在り方を鮮烈に提示しており、観る者の価値観を揺さぶる一作と言えるでしょう。