夫の浮気を疑うアルマは一夜の過ちを犯し、内に芽生えた欲情に葛藤を覚える。だが、悲劇が起こり、身近な人々をめぐる真実について疑念を持ち始める。
この作品の真髄は、理性が本能に侵食される過程を、扇情的かつ緻密な映像美で描き出した点にあります。単なる官能スリラーの枠を超え、視線一つに宿る緊張感が視聴者の五感を刺激します。影を効果的に配した映像表現は、人間の内面に潜む危うい欲望を鏡のように映し出し、観る者を陶酔へと誘います。 また、日常が情熱という猛毒で変質していく心理描写も見事です。キャスト陣の迫真の演技により、嘘と真実の境界が崩壊する恐怖が生々しく体現されています。誰が加害者で誰が被害者かさえ曖昧になる迷宮の中で、己の倫理観さえも揺さぶられるような、抗いがたい没入感こそが本作の誇るべき魅力です。
監督・制作: Leticia López Margalli