本作の真髄は、香港映画界の至宝であるラム・チェンイン、サンドラ・ン、バリー・ウォンという異色の才能が織りなす、計算し尽くされたカオスな化学反応にあります。道士としての厳格な佇まいを崩さないラム・チェンインの静の演技と、サンドラ・ンの爆発的な動のコメディセンスが激突する様は、単なる喜劇を超えた芸術的なまでのテンポを生み出しており、一瞬たりとも目が離せません。
映像表現においても、賭博という世俗的な勝負の世界に、道術というオカルト的要素を鮮やかに融合させた演出が極めて秀逸です。単に欲に翻弄される人々を描くのではなく、運を掴み取ろうとする人間の執念と、それを笑い飛ばす軽妙な精神性が作品の根底に流れています。当時の香港エンターテインメントが持っていた、圧倒的な熱量と生命力に満ち溢れた、観る者の活力を呼び覚ます傑作です。