あらすじ
1988年、心霊研究家の小田島(荒川良々)はオカルト番組で共演した新人タレント、はるか(黒島結菜)が経験した怪現象に興味を引かれる。同じ頃、あるトラブルによって転校を余儀なくされた女子高生の聖美(里々佳)は級友たちに誘われ、“猫屋敷”と呼ばれる空き家を肝試し気分で訪れることに。6年後、ソーシャルワーカーの有安(倉科カナ)は虐待されている子どもを救おうと、必死の行動を起こす。まったく接点のなかった彼らは一軒の家を中心に引き寄せられていく。彼らを呪いの連鎖で結び付けたその家の恐るべき真実とは!?
作品考察・見どころ
本作は、単なるホラーの枠を超えた実録犯罪史のような生々しい質感が最大の見どころです。恐怖を短絡的な驚かしに頼らず、歴史に刻まれた人間の業や社会の歪みを、呪いの根源として緻密に描き出しています。静謐な映像の中に漂う、生理的な嫌悪感と抗えない絶望感は、視聴者の肌にまとわりつくような重厚な恐怖を提供します。
荒川良々の抑えた演技と黒島結菜の震える存在感が、虚構であるはずの怪異を冷徹なリアリティへと昇華させています。三宅唱監督による、徹底して抑制された演出が、逃げ場のない家という密閉空間を逃れられない宿命の場へと変貌させる。呪いが連鎖し、時間が歪んでいく様を映像美で見せつける、極限の人間ドラマに酔いしれてください。