この作品の真髄は、華やかなサッカー界の裏側に潜むドロドロとした権力闘争を、極めてシニカルかつエネルギッシュに描き出した点にあります。単なる実録ドラマに留まらず、欲望に駆られた人間たちが織りなす滑稽な狂騒曲として昇華されており、観る者を一気に「腐敗の深淵」へと引きずり込みます。
特に卓越しているのは、善悪の境界線を曖昧にする演出と、野心と小心の間で揺れ動く人間の脆さを体現した圧倒的な演技力です。誰もがシステムの一部として加担していく過程がスリリングに描かれ、スポーツという聖域がいかにして巨大な利権の道具へと変貌したかを突きつけます。極上のエンターテインメントでありながら、人間の本質を鋭く突く必見の傑作です。