ヨハネスブルグの混沌を背景に、格差や汚職という重いテーマを暴力的なリアリズムで描き切った点に本作の本質があります。異なる階層の者たちが一つの点へ収束する様は正に運命の衝突であり、観る者の神経を逆なでするザラついた映像美が、その衝撃を鮮烈に際立たせています。
主演のラングレー・カークウッドが見せる、絶望に立たされた者の狂気と哀愁は圧巻です。法が機能不全に陥った世界で、人は何を守り、どこまで堕ちるのか。極限状態における人間の本質を痛烈に問いかける、一瞬の選択がすべてを狂わせていく緊迫のドラマに、魂が激しく揺さぶられます。