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本作の真骨頂は、情報の断片が織りなす息の詰まるような緊張感と、権力という巨大な闇に立ち向かう個人の孤独な闘争を克明に描き出した点にあります。冷淡でリアルな質感の映像が、観客を出口の見えない迷宮へと誘い、真実を追い求める過程で生じる道徳的な葛藤を鋭く突きつけます。 主演のヨシフ・パスティナが見せる、静かながらも執念を感じさせる演技は圧巻です。彼が体現する「知ることへの恐怖」と「使命感」のせめぎ合いは、単なる社会派ドラマを超えた深い人間ドラマを構築しています。隠蔽された事実が白日の下にさらされる瞬間のカタルシスと、同時に押し寄せる絶望感の対比こそ、本作が放つ唯一無二の魅力と言えるでしょう。
監督: Marius Th. Barna
脚本: Bogdan Ficeac
音楽: Petru Mărgineanu
制作: Marius Th. Barna / Avram Iclozan
撮影監督: Silviu Stavilã
制作会社: CNC / TVR / Borsec RomAqua