本作の真髄は、言葉にできない感情を光と影のコントラストで描き出す繊細な心理描写にあります。題名が示す「カーテンの向こう側」に潜む孤独と愛への渇望が、アリーナ・ジェリスカの憂いを帯びた瞳を通して観る者の心に突き刺さります。古典映画ならではの静謐な緊張感が、現代人の閉塞感をも優しく包み込むのです。
フェリクス・ジュコフスキら名優による抑制の効いた演技は見事です。激しい情熱をあえて抑え、仕草一つで複雑な内面を表現する手法は、映像芸術の純粋な力を再認識させてくれます。目に見える真実の裏側に潜む「真意」を読み解く喜びを教えてくれる、愛の本質を問う至高のロマンス作品です。