本作の最大の魅力は、名優テリー・サヴァラスを筆頭とするキャスト陣が織りなす、スリリングかつユーモアに満ちた男たちのアンサンブルにあります。第二次世界大戦の影を引きずりつつも一獲千金を狙うという不敵な構図の中に、奇妙な連帯感と皮肉な笑いが同居しており、単なる犯罪映画の枠を超えた、重厚で人間味あふれるスリラーとしての深みを堪能できるでしょう。
原作小説が持つ緊迫感を維持しながらも、映像化においては名優たちの卓越した身体表現と、七十年代特有のざらついた空気感が加わっています。言葉で説明しすぎない演出がキャラクターの抱える孤独や欲望を鮮明に浮き彫りにしており、視覚的なコントラストによって、物語をより立体的で躍動感のある極上のエンターテインメントへと昇華させている点が見事です。