60年代ドイツの陽気なエネルギーが詰まった本作は、単なる喜劇の枠を超えた時代精神の象徴です。ロイ・ブラックの甘美な存在感とウシ・グラスの瑞々しい魅力が、厳格な学校という閉鎖的な舞台に鮮やかな色彩を吹き込んでいます。権威への軽やかな反抗が、テンポの良い演出で活写され、観る者を理屈抜きの幸福感へと誘います。
教育者と生徒の対立という普遍的なテーマを、これほど愛らしく風刺した手腕は見事です。規律に縛られた大人たちの滑稽さと、自由を渇望する若者たちの生命力が衝突する瞬間、映像は真の輝きを放ちます。理屈ではなく心で感じる娯楽の真髄がここにあり、今なお色褪せない多幸感に満ちた傑作といえるでしょう。