近松門左衛門の不朽の名作を現代的な感性で再構築した本作は、愛と死が隣り合わせにある滅びの美学を極限まで突き詰めています。古典が持つ様式美を大胆に解体し、血と情念が混じり合う官能的な映像美へと昇華させた演出は圧巻であり、観る者を陶酔の極致へと誘います。
原作が人形浄瑠璃として語りと型で描いた悲劇に対し、本作は映像ならではの湿度を帯びた肌の質感や、タイトル通りの生々しい色彩で情愛を具現化しました。中沢慶子が体現する、命を削りながら純愛を貫く狂おしい演技は、時代を超えて共鳴する人間の根源的な衝動を鮮烈に浮き彫りにしています。