ポール・グリモーの筆致が冴える本作は、滑らかな色彩と造形美によって、動く絵画としての純粋な喜びを観る者に与えます。台詞に頼らずとも、画面から溢れ出す詩的な情緒と緻密な演出は、戦争という冷徹な現実を鮮やかに、そして痛烈に浮かび上がらせるのです。
本作の真髄は、タイトルの「不良」という言葉に秘められた強烈な人間性にあります。規律に抗い、命の温もりを守ろうとするその姿は、暴力への静かな抵抗であり、破壊のなかに咲く希望を象徴しています。戦後という時代が生んだこの美しい反逆の物語は、今なお平和への祈りを訴えかけてくる珠玉の芸術作品です。