この作品の最大の魅力は、国民的キャラクターの無垢を徹底的に破壊する背徳的な演出にあります。長年虐げられてきた少年の悲哀が、血塗られた復讐劇へと昇華される様は、観る者の倫理観を心地よく揺さぶります。緊迫感漂う映像表現が、単なるコメディの枠を超えた狂気と芸術性を作品に付与しているのです。
原作の素朴な線描が持つ哲学的な虚無感を、ディラン・オブライエンは狂気を孕んだ圧巻の演技で見事に実写化しました。静かな日常が凄惨な暴力へと反転するこの大胆な改変は、記号的な存在に生々しい肉体を与えた映像メディアならではの勝利と言えるでしょう。抑圧された魂の叫びがスクリーンを突き破る、衝撃的な映像体験がここにあります。