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小津安二郎監督が、家族という集団の冷徹な真実とその深淵に潜む一筋の光を見事に結晶させた傑作です。親の死を契機に露呈する兄弟たちのエゴイズムと、居場所を失い静かに耐える母の孤独。画面の端々に漂う上品な静寂が、かえって人間の身勝手さを鮮明に浮き彫りにし、観る者の倫理観を鋭く突き刺します。 本作の白眉は、様式美の中に宿る凄まじいリアリズムです。斎藤達雄や三宅邦子ら名優が体現する、抑制された演技の応酬は、時代を超えて普遍的な問いを投げかけます。末っ子の潔い怒りが爆発する瞬間のカタルシスは、停滞した日常を打ち破る強靭な意志に満ちており、今こそ目撃すべき至高の人間ドラマです。
FindKeyのエディトリアルチームがこの作品の深層や歴史を解説しています。
監督: 小津安二郎
脚本: 池田忠雄 / 小津安二郎
音楽: 伊藤宣二
撮影監督: 厚田雄春
制作会社: Shochiku