本作の真骨頂は、特撮ヒーローの様式美を解体し、あえてチープさとシュールなユーモアを突き詰めた唯一無二の世界観にあります。河崎実監督が自ら体現する、言いようのない哀愁と奇妙な説得力は、既存の価値観を覆す鮮烈なインパクトを放っています。低予算という制約を遊び心で突破する独創的な演出は、映像表現の自由さを鮮やかに提示しています。
画面から溢れるのは、作り手の純粋な情熱と悪ふざけの精神です。加藤礼次朗や蜂谷真未らの共演が生む不条理な熱量は、不格好でも自分を貫く尊さを謳う、大人たちへの痛快な賛歌といえるでしょう。理屈を超えた面白さに身を委ねる、贅沢な映像体験がここにあります。