この映画の魅力は、タイトルが示す「青緑」という色彩が象徴する、言いようのない孤独と静謐さにあります。未熟な青さと深淵な緑が混じり合う映像美は、観る者の深層心理に訴えかける詩的な力を持っています。言葉にできない微細な心の揺れを、光と影だけで描き切る演出は、まさに映像芸術の真髄といえるでしょう。
釜谷越子や大谷健太郎らが見せる、虚飾を剥ぎ取った生身の演技も圧巻です。過剰な説明を排し、静寂の中に漂う彼らの眼差しは、記憶に眠る痛切な風景を呼び覚まします。映画という媒体でしか到達できない純粋な情緒の極致が、鑑賞後の心に鋭く、そして深く突き刺さることでしょう。