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本作が描き出すのは、終戦後の世界に横たわる「心の境界線」という重厚なテーマです。敵国から来た花嫁を巡る不信感と赦しの葛藤は、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。平和の裏側に潜む集団心理の危うさと、個人の罪をどう裁くかという普遍的な問いかけは、今なお色褪せない鋭利なメッセージを放っています。 マイ・ゼッタリングの気高い演技は、無理解の痛みを静かに体現し、観客の共感を強く惹きつけます。バジル・ディアデン監督による光と影を駆使した演出は、登場人物の内なる孤独を見事に際立たせました。憎しみの連鎖を断ち切る困難さと人間の尊厳を描き切った、魂を震わせる傑作です。
監督: Basil Dearden
脚本: Ronald Millar / Angus MacPhail
音楽: John Greenwood
制作: Michael Balcon
撮影監督: Gordon Dines
制作会社: Ealing Studios / J. Arthur Rank Organisation