猪俣勝人の映画(1962年)
本作の魅力は、人間の業を極上の娯楽へ昇華した演出にあります。龍崎一郎の重厚さと、筑波久子の妖艶な生命力が火花を散らす画面は圧巻。欲望に翻弄される人々の滑稽さと悲哀を、鋭いコントラストで描き出す映像美は、観る者の倫理観を心地よく揺さぶります。 川喜多雄二の洗練された演技が、鏡に映る醜くも愛おしい人間の本性を浮き彫りにします。単なる風刺を超え、現代にも通じる普遍的なメッセージを突きつける本作。黄金期特有の濃密な空気感と剥き出しの熱量に酔いしれる、至高の映像体験がここにあります。
監督: 猪俣勝人
脚本: 田辺虎男 / 猪俣勝人
音楽: Tetsuo Tsukahara