本作の真髄は、大映特撮が結集した妖怪たちの圧倒的な造形美にあります。CGでは出せない生々しい質感と、和の様式美が融合した映像は今なお鮮烈です。藤巻潤ら実力派が演じる人間の業と、怪異が放つ異質さがぶつかり合う様は、単なる恐怖映画を超えた重厚なドラマを構築しています。
物語の底流にあるのは、畏怖すべき存在への敬意を忘れた人間への痛烈な批判です。因果応報というテーマを、百鬼夜行という幻想的な美学で包み込んだ演出は実に見事。静寂の中に忍び寄る「異形のもの」の気配に、魂が震えるようなカタルシスを感じずにはいられません。