本作の真髄は、肉体というキャンバスに刻まれる情念の美学にあります。松橋登の耽美な色気と、潤ますみの肌に宿る妖艶な生命力が映像から滴り落ちるようです。墨が皮膚に染み込み、痛みを快楽へ昇華させる官能的な演出は、観る者の視覚を暴力的に、かつ優雅に刺激して止みません。
池部良が放つ静謐な狂気と、変貌を遂げていく人間の根源的な欲望。本作は、美に魅入られた魂の破滅と救済を鮮烈に描き出しています。刻めば消えぬ刺青という宿命を通じ、己を捧げて究極の美を完成させる人間の業を見事に昇華させた、極彩色の美学が光る傑作です。