丹波哲郎が放つ、圧倒的な虚無感と色気が本作の核です。倫理から隔絶された世界で、死を恐れぬ凄絶な殺陣を披露するその姿は、冷徹な眼差しの中に超然とした美しさを湛え、観る者の魂を射抜くような強烈なカリスマ性を放っています。
石井輝男監督による、官能と暴力が渾然一体となった映像美も鮮烈です。人間の生々しい欲望と死の緊張感が画面に充満し、社会の底辺でしか見出せない自由と矜持を突きつけてきます。通俗的なジャンルを突き抜けた先に現れる、徹底した虚無主義の美学こそが、今なお色褪せない本作の本質的な輝きといえるでしょう。