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本作は、人間の魂の象徴である「笑い」を富と引き換えにするという寓話的なテーマを、ソ連映画特有の幻想的かつ冷徹な美学で描き出しています。物質的な成功が心の欠落を埋められないという普遍的なメッセージは、アレクセイ・ロザノフらによる怪演によって、単なる教訓を超えた深遠な人間ドラマへと昇華されています。 ジェームス・クリュスの原作を基にしつつ、映像版では「音」の不在を際立たせる演出が光ります。活字では想像に留まる「売られた笑い」の不気味な欠落感が、静寂と音響の対比によって観る者の五感に訴えかけます。メディアの特性を逆手に取り、見えないはずの心の痛みを映像化した点に、本作の圧倒的な芸術性が宿っています。
監督: Глеб Селянин
脚本: Евгений Гвоздёв / James Krüss
音楽: Игорь Цветков
制作会社: Leningrad Television