本作は、中世サマルカンドの壮麗な情景を背景に、知性と権力の相克を詩的に描き出した中央アジア映画の金字塔です。監督ラティフ・ファイジエフの卓越した演出美は、天文学という「真理への渇望」と、それを受け入れぬ時代の「閉塞感」を見事な対比で映し出し、単なる歴史劇を超えた深遠な人間ドラマへと作品を昇華させています。
主演シュクール・ブルハノフの圧倒的な存在感は、孤独な先駆者の魂そのものであり、その眼差しには時代を突き抜ける知的な炎が宿っています。理知と迷信が衝突するなかで、滅びゆく肉体を超えて輝き続ける思想の永遠性を問う本作のメッセージは、現代に生きる我々の胸を激しく揺さぶり、真実を追う勇気を与えてくれるでしょう。