トロマ・エンターテインメントの総帥ロイド・カウフマンの才気がほとばしる本作は、既存の映画文法を軽やかに超越したカオスなエネルギーに満ちています。若き日のカウフマンが放つ予測不能な笑いと、実験的なカット割りが見事に融合。インディペンデント映画特有の「創りたいものを創る」という強烈な初期衝動が、画面全体から凄まじい熱量となって溢れ出しています。
特筆すべきは、リン・ロウリーの透明感あふれる美しさと、若きオリバー・ストーンが放つ異質な存在感の共演です。彼らが織りなすシュールな掛け合いは、愛という普遍的なテーマを滑稽かつ残酷に解体していきます。洗練とは無縁の泥臭い演出の中にこそ、人間の本質を突く鋭い洞察が隠されており、後のカルト映画界を牽引する独自の美学が凝縮された、まさに伝説の胎動を感じさせる一作です。