大林宣彦監督による本作は、悪夢的な絶望を独自の映像魔術で包み込んだ異色のファンタジーです。極限状態にある少年たちの純粋さと、崩壊する世界のコントラストが、観る者に強烈な違和感と美しさを刻みつけます。当時の特撮が醸し出す不気味な手作り感は、デジタルでは決して到達できない生々しい終末観を演出し、得体の知れない恐怖を画面に定着させています。
楳図かずおの原作が持つ狂気を、本作は祈りを軸にした叙情的な物語へ大胆に再構築しました。設定改変を逆手に取り、映像ならではの抽象的な抒情詩へと昇華させた点は、メディアの強みを活かした英断です。絶望の果てに灯る希望を唯一無二の感性で描き切ったこの挑戦作は、今なお鮮烈なカルト的輝きを放っています。