伊丹十三監督が「生と死」という究極のテーマに真っ向から挑んだ本作は、死を忌むべきものではなく、人生の集大成としての「祭り」のように描き出す視点が圧巻です。三國連太郎が見せる、生への執着と死への恐怖が混ざり合った壮絶な演技は、観る者の魂を激しく揺さぶります。
医療現場の滑稽さと崇高さを同時に捉える伊丹監督特有の観察眼が冴え渡り、単なる闘病記を超えた極上の人間讃歌へと昇華させています。最期をどう生きるかという問いに対し、残酷なまでに美しく、そして高らかなユーモアを交えて答える本作は、現代を生きる私たちが今こそ観るべき命のバイブルといえるでしょう。