この作品の真髄は、格調高いオペラと大衆的な笑いという対極の芸術を、音楽で見事に調和させた点にあります。キャスリン・グレイソンの澄んだソプラノとローリッツ・メルヒオールの圧倒的歌声は、劇場の空気を変える魔力に満ちています。伝統への敬意と自由なエネルギーの衝突が、至高の娯楽へと昇華されているのです。
ジューン・アリソンの快活さが作品に温かな息吹を与え、姉妹が支え合う姿は夢を追う尊さを描き出します。MGM黄金期ならではの贅を尽くした演出は、人生のどんな場面も歌があれば輝けるという希望を観る者に与えます。出演者の才能が煌めく、至福の音楽喜劇です。