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この作品の真の魅力は、終戦直後のドイツの収容所で実際に撮影された圧倒的なリアリズムにあります。戦争映画でありながら、銃火器の応酬ではなく、囚われの身となった男たちの「心の機微」に焦点を当てた演出が秀逸です。偽りの身分を背負い、物理的な拘束を超えて真実の愛を模索する主人公の葛藤は、観る者の魂を激しく揺さぶります。 主演のマイケル・レッドグレーヴが見せる、繊細かつ重厚な演技は圧巻です。実の妻であるレイチェル・ケンプソンとの共演が生み出す、手紙を通じた魂の交流には、フィクションを超えた純粋な情熱が宿っています。極限状態でアイデンティティを問い直す人間の尊厳が、静謐な映像美と共に刻み込まれた、今こそ観るべき珠玉の人間ドラマです。
監督: Basil Dearden
脚本: Patrick Kirwan / Guy Morgan / Angus MacPhail
音楽: Ernest Irving / Alan Rawsthorne
制作: Michael Balcon
撮影監督: Douglas Slocombe
制作会社: Ealing Studios