本作の真骨頂は、甘いロマンスの裏側に潜む「愛の執着」を剥き出しにする大胆な演出にあります。ウーゴ・シルバとアドリアーナ・ウガルテが放つ、火花を散らすような圧倒的なケミストリーは必見です。理想の恋を求めるあまりに陥る滑稽な心理戦を、鮮烈な色彩とテンポの良い編集で描き出し、観る者の恋愛観を爽快に揺さぶります。
「愛の反対」とは何かという深遠な問いに対し、本作は情熱の裏にある独占欲やエゴを、シニカルかつエネルギッシュに映し出します。単なる娯楽作に留まらず、自己のアイデンティティを再確認させる力強いメッセージ性は、恋に迷う全ての大人たちに勇気と痛快なまでの解放感を与えてくれるはずです。