本作は歴史の闇に葬られた悲劇の深淵を、心理スリラーの筆致で描いた衝撃作です。単なる時代劇に留まらず、抑圧された感情が狂気へと変貌していく過程を、残酷なまでに美しく、かつ緊迫感溢れる演出で映し出しています。密室のような閉塞感が漂う王宮内で、理性が崩壊していく様は観る者の心拍数を容赦なく跳ね上げるでしょう。
キム・デミョンが魅せる繊細さと爆発力を秘めた怪演、そしてパク・ソダムが放つ底知れない存在感は、作品に圧倒的なリアリティをもたらしています。親子の情愛が憎悪へと反転する瞬間の熱量は凄まじく、人間の根源的な恐怖と哀しみを抉り出す演出に、一瞬たりとも目が離せません。