あらすじ
21世紀初頭、関東大震災に見舞われた東京は、ゲノム・コーポレーションによって開発された人造人間“ブーマ”の投入とその活躍で復興を遂げる。そして西暦2034年、発展した都市の中で人間とブーマは共存を保っていた。だが、徐々にブーマを利用した事件が頻発。やがて、ブーマ犯罪を取り締まる高機動対テロチーム“A.D.POLICE”が設置される。さらに、難事件を専門とする特務組織“ブランチ”をチーム内に構成。その捜査官バズは相棒のブーマ、キンボールとブーマ連続暴走事件を追う。すると、彼らはその過程で、ある薬品を入手する。
作品考察・見どころ
本作が放つ最大の魅力は、血の通わない機械と欲望にまみれた人間が混濁する都市の、退廃的な美学にあります。冷徹なサイバーパンクの世界観を背景に、実写映画さながらの重厚な光と影のコントラストが、観る者の視覚を容赦なく刺激します。単なるSFアクションの枠を超え、アンドロイドが社会に深く浸透した未来の歪みを、静謐かつ暴力的な映像美で描き出している点は圧巻の一言に尽きます。
井上和彦氏をはじめとする実力派声優陣が、乾いた虚無感の中に潜む人間性の境界線を、深みのある演技で見事に体現しています。自分たちが作り出した道具に、いつしか心や魂が宿るのではないかという根源的な恐怖と哀愁。そのジレンマを突きつける鋭いメッセージ性は、AIとの共存が現実味を帯びた現代の私たちにこそ、より痛烈な問いとして響くはずです。