あらすじ
見た目は美しい女性だが、実は男性で、女性が恋愛対象というトランスジェンダーのみきはファストファッション会社で働くOL。同僚のかおりや仲村と共に、忙しいながらも充実した「女子的生活」を満喫していた。ある日、同級生だった後藤が訪ねて来る。みきの姿を見て驚く後藤だったが「お金がなく頼る人間がいないので助けて欲しい」と言い、みきは「合コン」セッティングを条件に、渋々承諾することに。合コン当日、みきの前に、ゆいという自然派気取りの女が現れる。みきとゆいは、「女」同士のバトルを繰り広げることになるのだが…。(公式サイトより)
作品考察・見どころ
本作は、極限状態に置かれた人間の不屈の精神と、運命を切り拓く執念を圧倒的な熱量で描き出しています。スティーヴン・カリーが体現する、悲劇を乗り越えた先にある静かな情熱は、観る者の魂を激しく揺さぶります。ブレンダン・グリーソンの重厚な演技も相まって、単なるスポーツ映画を超えた人生の深淵を感じさせる重層的な人間ドラマへと昇華されています。
原作が持つ緻密な心理描写を、本作は映像ならではの躍動感で見事に再構築しました。土埃が舞い、心臓の鼓動が伝わるようなレースシーンは、活字では味わえない疾走感と緊張感を与え、言葉を超えた感動を視覚的に突きつけてきます。喪失を走るエネルギーへと変容させるプロセスを、映像美と演出の妙で見せ切った点に、映画表現としての真髄が宿っています。