1973年の東映ピンキー・バイオレンスにおいて、本作が放つ異彩は北欧のミューズ、クリスチーナ・リンドバーグという「異物」が生んだ爆発的な化学反応にあります。鈴木則文監督による過剰なまでにポップで残酷な色彩感覚と、異国のエロティシズムが融合した映像美は、当時の日本映画界が持っていた無秩序なエネルギーの結晶です。
荒木一郎の退廃的な色気や川谷拓三の剥き出しの狂気が、リンドバーグの静謐な美しさをより一層際立たせています。肉体を武器に権力や因習へと抗うヒロインの姿は、単なる官能の枠を超え、境界なき人間の情念と解放を謳い上げる野心的なメッセージを内包しています。スクリーンの端々から溢れ出す、剥き出しの生命力と倒錯した美学に、観る者はただ圧倒されるはずです。