大映特撮の真髄が凝縮された本作は、単なる怪談映画の枠を超え、因果応報の理を視覚的に叩きつける。熟練の造形技術が生み出す妖怪たちは、不気味でありながらもどこか高潔な「自然の代弁者」として立ち現れ、悪を討つその姿は圧巻だ。陰影を強調した美しい映像美が、東海道という道中に潜む闇と人間の業を鮮烈に際立たせている。
本郷功次郎の重厚な演技は作品に品格を与え、欲望に塗れた大人たちと、純真な子供たちの対比を一層深めている。恐怖の中に正義の鉄槌が下るカタルシスは時代劇としての醍醐味に満ち溢れ、目に見えぬ存在への畏怖こそが人としての倫理観を呼び覚ますという強烈なメッセージを、現代に生きる我々へ情熱的に訴えかけてくる。