神代辰巳監督の美学が極限まで研ぎ澄まされた、退廃と純愛が交錯する奇跡的な一作です。肉体の交わりを超えた先にある魂の解放を、湿り気を帯びた映像美で描き出す手腕は圧巻。日活ロマンポルノの枠を完全に超え、死と生の境界を揺さぶるような耽美的で虚無的な香気が、観る者の深層心理に深く突き刺さります。
主演の谷ナオミが放つ静謐な色香と、怪優・岸田森の狂気を孕んだ知的な佇まい。この二人の魂がぶつかり合うことで生まれる濃密な空気感は、映像でしか到達し得ない神秘的な領域へと昇華されています。絶望の果てに昇天を見出す彼らの姿は、あまりにも美しく、残酷なまでの官能性を放ち続けています。