増村保造監督の才気が光る本作は、高度経済成長期の熱狂を過激な色彩とスピード感で切り出した傑作です。宣伝合戦を戦争に見立て、消費される人間の悲哀を滑稽に描き出します。野添ひとみが演じる、無垢さと欲望が同居する「時代の怪物」の姿は、今見ても背筋が凍るほどの圧倒的なエネルギーを放っています。
開高健の原作から情緒を削ぎ落とし、冷徹な機能美で映像化した演出は圧巻です。過剰な情報量で資本主義の狂気を視覚化し、組織の非情さを生々しく暴き出しました。玩具として使い捨てられる人間の姿は、現代の我々への鮮烈な警告として、時代を超えて情熱的に響き渡ります。